学習コラム
「年内入試」攻略 “最強” マニュアル
カテゴリ:志望校対策
チェック高1・高2生
大学入試の “主戦場” になりつつある「年内入試」
一橋学院在籍のプロフェッショナルチューターが執筆する学習コラムです。
大学入試の方式は大別すると3つあります。一般選抜、学校推薦型選抜、それに総合型選抜です。受験生は自分に合う受験方式を選択することができますが、その分、「どれを選ぶか」が大事になります。近年、特に拡張傾向なのが学校推薦型選抜と総合型選抜で、受験生の半数がこうした「推薦入試」で進学先を決めているのが現状です。今回はこうした「年内入試」のありようについて考えたいと思います。
目次
■ 大学入試の “主戦場” になりつつある「年内入試」
■ 学校推薦型選抜は大学入試で「内申点」が使える貴重な機会
■ まず狙うべきは「指定校推薦」
■ 公募型・総合型選抜は大学との「マッチング」がすべて
■ 出願段階で合否が決まる!?
■ 「ワンランク上」にチャレンジするのか、それとも「確実な安全策」を取るのか
■ 小論文・面接対策はもちろん、並行して一般選抜の対策も行わないと大変なことに…
■ 学校推薦型選抜は大学入試で「内申点」が使える貴重な機会
■ まず狙うべきは「指定校推薦」
■ 公募型・総合型選抜は大学との「マッチング」がすべて
■ 出願段階で合否が決まる!?
■ 「ワンランク上」にチャレンジするのか、それとも「確実な安全策」を取るのか
■ 小論文・面接対策はもちろん、並行して一般選抜の対策も行わないと大変なことに…
学校推薦型選抜は大学入試で「内申点」が使える貴重な機会
共通テスト導入時より、大学入試の一般選抜で、「調査書」を参照する大学が増えてきました。調査書には3年間の成績や出欠の状況、特別活動の記録などが記載されています。高校側が作成するこの書類は、どの大学入試方式でも必須の提出書類です。
「大学合格後に指導の参考にする」、「合否ボーダー上付近の場合に参照する」、「点数化して学科試験と合算する」など、調査書にたいする大学の取り扱いはさまざまですが、一般選抜の場合、合否には大きく影響しないことがほとんどです。たとえ点数化されても配点がきわめて小さいことが多く、しかも同じ大学を志望する受験生同士であれば、一定幅の評定平均値の幅に集中する可能性が低くありませんので、調査書よりは当日の試験結果で合否が決まるケースがほとんどでしょう。
そもそも大学入試では、高校入試と違って、調査書は重視されません(欠席が極端に多いなどの特別な事情があれば少し注意が必要かもしれませんが、卒業している、あるいは卒業見込みであるという時点で、一定のラインはクリアーしていることになります)。その意味では、受験生からすると、学校の成績が良好であっても、それを入試において積極的に活用することは難しい面があります。したがって、大学入試では、高校入試のようには「内申点」を使えるわけではない、と言えるでしょう。
もちろん、コツコツと真面目に学習を続けてきた人であれば、学力の証明としての成績評定と当日の試験の出来とには相関関係が見られやすくなるでしょう。その点では成績評定は高いに越したことはないのですが、その「値そのもの」を入試に活用できるかと言えば、必ずしもそうではないのです。
しかしこれは一般選抜の話です。推薦系の「年内入試」では、成績評定が出願基準になっていることも多く、面接を含めた選考プロセスにおいても活用する大学があると考えられます。大学入試では使いにくい「内申点」を、積極的に最大限活用できるのが、「年内入試」のメリットの一つです。「3年間頑張ってきたこと」を「直接」評価してもらいやすい、というのは、推薦系入試を受験する主要な動機の一つと言えるでしょう。
「大学合格後に指導の参考にする」、「合否ボーダー上付近の場合に参照する」、「点数化して学科試験と合算する」など、調査書にたいする大学の取り扱いはさまざまですが、一般選抜の場合、合否には大きく影響しないことがほとんどです。たとえ点数化されても配点がきわめて小さいことが多く、しかも同じ大学を志望する受験生同士であれば、一定幅の評定平均値の幅に集中する可能性が低くありませんので、調査書よりは当日の試験結果で合否が決まるケースがほとんどでしょう。
そもそも大学入試では、高校入試と違って、調査書は重視されません(欠席が極端に多いなどの特別な事情があれば少し注意が必要かもしれませんが、卒業している、あるいは卒業見込みであるという時点で、一定のラインはクリアーしていることになります)。その意味では、受験生からすると、学校の成績が良好であっても、それを入試において積極的に活用することは難しい面があります。したがって、大学入試では、高校入試のようには「内申点」を使えるわけではない、と言えるでしょう。
もちろん、コツコツと真面目に学習を続けてきた人であれば、学力の証明としての成績評定と当日の試験の出来とには相関関係が見られやすくなるでしょう。その点では成績評定は高いに越したことはないのですが、その「値そのもの」を入試に活用できるかと言えば、必ずしもそうではないのです。
しかしこれは一般選抜の話です。推薦系の「年内入試」では、成績評定が出願基準になっていることも多く、面接を含めた選考プロセスにおいても活用する大学があると考えられます。大学入試では使いにくい「内申点」を、積極的に最大限活用できるのが、「年内入試」のメリットの一つです。「3年間頑張ってきたこと」を「直接」評価してもらいやすい、というのは、推薦系入試を受験する主要な動機の一つと言えるでしょう。
まず狙うべきは「指定校推薦」
年内入試を使って大学に入ろうとするなら、最初に考えるべきは「指定校推薦」です(比較的近い性質のもので、他に、大学付属校からの「持ち上がり」である、いわゆる内部推薦があります)。
指定校推薦は大学と高校との間のある種の「信頼関係」の上に成り立っている推薦制度で、大学から指定を受けた高校は、校内で先行した生徒を、指定された一定数、大学側に推薦することができます。形式上は学校長の推薦になりますが、この大学から受け取った「枠」内で推薦する生徒を誰にするかの決め方は、基本的には高校内のローカルルールに委ねられます(そのため上記のように、「信頼関係」の上により成り立つ、と言えるのです)。
高校によっては、国立クラスや特進クラスの生徒は手を挙げられず、いわゆる一般クラスの生徒から推薦する(例えば部活を熱心にやっていて、しかも「スポーツ推薦」などには届かないような生徒)、といったケースもありますし、単発ないし複数回の実力テストの成績で選考する場合もあるでしょう。早くから文理別・習熟度別・志望別等のクラス編成を進めている高校なら、一般選抜の入試科目の成績を用いて決めることもありえます。しかし、最も多いパターンは、「評定平均により決定する」です。あとはここに、生徒会活動や文化祭などを含む委員会活動、あるいは部活動やボランティア活動などがどう加味されるかが関係することになりますが、基本的に「物を言う」のは評定平均値になります。
高校側が指定校推薦に向けて生徒の希望を受け付けるのは「夏休み明け」、しかも直後であることが大半です。1学期末の成績までで決まるので、夏休み前でもよさそうなものですが、大学側からの情報の整理や受験生側の検討のための時間を確保している、ということかもしれません。いずれにせよ、結果的に多くの高校で、3年生は「受験生」として夏休みを過ごすことが求められることになります。こうして夏休みを過ごしたあと、学習上のコンディションなど、そのときの状況をトータルに考えて、人によっては指定校推薦に手を挙げることになります。
「年内入試」は基本的に専願であることが普通ですが、特に指定校推薦は、推薦をもらって合格したあとの入学辞退が想定されていない入試スタイルです。辞退をすると高校と大学との「信頼関係」が崩れますので、翌年からその大学への「枠」がなくなってしまうことにもつながりかねません。したがって、しっかりと入学意志を決めてから出願しなければなりません。
志望する大学に手を挙げる場合にはたいてい一定の評定平均値が必要になり、人気の大学ほどその値が高い傾向がありますが、多教科に渡って成績がいい人ほどそれだけ評定平均値が高いことが多く、そうした人は国立大学を志望していることもよくあり、結果的に、ある人気の私立大学の指定校推薦に誰も手を挙げない、ということもままあります。このため進学校のなかには、いわゆる上位校の推薦枠を行使しきらないことも多くあります。逆に言えば、国公立を目指して夏いっぱい学習し、夏明けの状況で思い切って私大の指定校推薦にスイッチする、といった戦略も考えられることになります。
指定校推薦に高校内で手を挙げるためのルールも、高校ごとに異なります。一人1校であることが多いのですが、はじめから志望順位をつけて複数の大学に手を挙げられたり、「1周目」で「枠」が余っていた場合に第2次募集があったり、といった具合です。この仕組みによっても校内選考段階でどの大学にチャレンジするかの選択は変わってきます。
指定校推薦では、高校から推薦があったあと、大学に志望理由書を出したり、面接試験が課されたりすることがありますが、高校から推薦をもらった段階で、きわめて高確率で合格することができます(ただし医学部医学科の指定校推薦は、大きく事情が異なります)。推薦系での合格を考えている場合、時期的にも、この確率的にも、まずは指定校推薦を考えることになります。
高校での成績が良好な人ほど選択の幅が広がることになりますが、「9月段階で事実上決着がつく」だけに、志望大学の兼ね合いが生じます。第一志望校が指定校推薦のリストにあるのであれば、とにかくまず応募を考えるべきでしょう。学部違い、あるいは大学違いの場合に、どこまで視野を広げて考えるか重要になります。公募型推薦・総合型選抜も、一般選抜も、他の入試方式は、仮に「A判定」であっても、受けてみなければ合格するかはわかりません。そのリスクを極小化できるのが指定校推薦の最大の魅力なのです。
指定校推薦は大学と高校との間のある種の「信頼関係」の上に成り立っている推薦制度で、大学から指定を受けた高校は、校内で先行した生徒を、指定された一定数、大学側に推薦することができます。形式上は学校長の推薦になりますが、この大学から受け取った「枠」内で推薦する生徒を誰にするかの決め方は、基本的には高校内のローカルルールに委ねられます(そのため上記のように、「信頼関係」の上により成り立つ、と言えるのです)。
高校によっては、国立クラスや特進クラスの生徒は手を挙げられず、いわゆる一般クラスの生徒から推薦する(例えば部活を熱心にやっていて、しかも「スポーツ推薦」などには届かないような生徒)、といったケースもありますし、単発ないし複数回の実力テストの成績で選考する場合もあるでしょう。早くから文理別・習熟度別・志望別等のクラス編成を進めている高校なら、一般選抜の入試科目の成績を用いて決めることもありえます。しかし、最も多いパターンは、「評定平均により決定する」です。あとはここに、生徒会活動や文化祭などを含む委員会活動、あるいは部活動やボランティア活動などがどう加味されるかが関係することになりますが、基本的に「物を言う」のは評定平均値になります。
高校側が指定校推薦に向けて生徒の希望を受け付けるのは「夏休み明け」、しかも直後であることが大半です。1学期末の成績までで決まるので、夏休み前でもよさそうなものですが、大学側からの情報の整理や受験生側の検討のための時間を確保している、ということかもしれません。いずれにせよ、結果的に多くの高校で、3年生は「受験生」として夏休みを過ごすことが求められることになります。こうして夏休みを過ごしたあと、学習上のコンディションなど、そのときの状況をトータルに考えて、人によっては指定校推薦に手を挙げることになります。
「年内入試」は基本的に専願であることが普通ですが、特に指定校推薦は、推薦をもらって合格したあとの入学辞退が想定されていない入試スタイルです。辞退をすると高校と大学との「信頼関係」が崩れますので、翌年からその大学への「枠」がなくなってしまうことにもつながりかねません。したがって、しっかりと入学意志を決めてから出願しなければなりません。
志望する大学に手を挙げる場合にはたいてい一定の評定平均値が必要になり、人気の大学ほどその値が高い傾向がありますが、多教科に渡って成績がいい人ほどそれだけ評定平均値が高いことが多く、そうした人は国立大学を志望していることもよくあり、結果的に、ある人気の私立大学の指定校推薦に誰も手を挙げない、ということもままあります。このため進学校のなかには、いわゆる上位校の推薦枠を行使しきらないことも多くあります。逆に言えば、国公立を目指して夏いっぱい学習し、夏明けの状況で思い切って私大の指定校推薦にスイッチする、といった戦略も考えられることになります。
指定校推薦に高校内で手を挙げるためのルールも、高校ごとに異なります。一人1校であることが多いのですが、はじめから志望順位をつけて複数の大学に手を挙げられたり、「1周目」で「枠」が余っていた場合に第2次募集があったり、といった具合です。この仕組みによっても校内選考段階でどの大学にチャレンジするかの選択は変わってきます。
指定校推薦では、高校から推薦があったあと、大学に志望理由書を出したり、面接試験が課されたりすることがありますが、高校から推薦をもらった段階で、きわめて高確率で合格することができます(ただし医学部医学科の指定校推薦は、大きく事情が異なります)。推薦系での合格を考えている場合、時期的にも、この確率的にも、まずは指定校推薦を考えることになります。
高校での成績が良好な人ほど選択の幅が広がることになりますが、「9月段階で事実上決着がつく」だけに、志望大学の兼ね合いが生じます。第一志望校が指定校推薦のリストにあるのであれば、とにかくまず応募を考えるべきでしょう。学部違い、あるいは大学違いの場合に、どこまで視野を広げて考えるか重要になります。公募型推薦・総合型選抜も、一般選抜も、他の入試方式は、仮に「A判定」であっても、受けてみなければ合格するかはわかりません。そのリスクを極小化できるのが指定校推薦の最大の魅力なのです。
公募型推薦・総合型選抜は大学との「マッチング」がすべて
指定校推薦のあと、学校推薦型選抜の公募型推薦や、総合型選抜が動きます。
総合型選抜は、以前はAO入試と言われていて、Admissions Office(アドミッションズ・オフィス)という入学事務局を中心に、学力以外の要素も含めて、受験生の多様な側面を評価し、多角的な選考を行う入試方式です。近年は評定平均のバーが設定されることもありますが、大学側の受け入れ方針である「アドミッション・ポリシー」にもとづいて設定された「期待する人物像」とのマッチングが重視されます。これは学校長の推薦、すなわち実際上は一定以上の評定平均が必要な、公募型推薦でも基本的には同様です。
このため両者とも、事実上「志望理由書を中心とした書類選考」と「小論文や面接などの現地選考」の組み合わせで選考され、大学が期待する人物像にあてはまるかどうかが試されます。学問に向かう態度や、思考力・表現力などの能力的な要素など、その大学にふさわしい「資質」が備わっているかを評価されながら、「その大学で学ぼうとする強い意欲や目的意識の有無」が確かめられます。大学側とすれば、入学後にミスマッチが起きないよう、その大学・学部・学科で学ぶ必然性を受験生本人が自覚しているかどうかを丁寧に検証することになります。大学側と受験生側のそれぞれのニーズがお互いに一致していることが重要です。
出願段階で合否が決まる!?
公募型推薦や総合型選抜を突破する鍵となるのは、大学とのマッチングを意識し、それを的確に表明していくことです。これが最初に問われるのが志望理由書になります。
こうした推薦入試では、志望理由書は「答案」です。大学側は主体的に学べる学生を求めますので、個人のこれまでの実体験や思想に基づいたオリジナリティにあふれた内容であることが必要ですが、あくまでもその大学でその学問を修めるにふさわしい人物であることを表現する必要がありますので、トリッキーな内容であってはいけません。そのカリキュラムがいかに魅力的で、自分は他の大学でなくその大学で学ぶのがベストである、ということを、説得的に表現したいところです。この志望理由書は大きな選考材料になりますので、しっかりと作り込んで提出することが必要です。
しかも志望理由書は、面接の際の補助資料になることもあります。志望理由については必ず聞かれますので、矛盾のない、首尾一貫した受け答えができるよう、整理しておくことが大切です。その意味では、面接の際の試験官の参照資料になってもならなくても(「なる」ケースが多いです)、志望理由書をきちんと作成すればするほど、面接試験にも良好な結果をもたらします。出願段階で行った準備の深度が合否につながってくるのです。
その意味でも、「アドミッション・ポリシー」や「求める人材像」を必ずチェックして、表現として、あるいは内容的に、それらを適宜、志望理由に取り込むようにしておくことが大切です。
さらに、合格につながる志望理由の構築の仕方(=志望理由書の書き方)のコツは、「時間軸を意識すること」です。自分はこのような考えでこのような高校生活を送ってきた、このようなことがありその時こうしたことを学んだ──これが「過去」にあたります。「未来」は大学の卒業後のビジョンです。具体的な職業が決まっていればベストですが、国際的に活躍したいとか、ものづくりに関わっていきたいとか、困っている人の手助けができるようなコミュニケーションにあふれた仕事をしたいとかといった方向でも結構ですので、近未来、あるいはもう少し長いスパンでの未来において、こうした生き方をしていきたい、ということをイメージします。この「過去」と「未来」の間に、「必然的に」大学を位置づけます。「こういう自分がこうなるためには、他の大学・学部でなくてこの大学・学部でなければならない」ということを、ストーリーとして端的に述べていきます。
具体的であればあるほど基本的にはいいのですが、あまり「狭く」しすぎると、例えば「授業を受けたい」と書いていた教授が定年で退職になる、など、応用がききにくい事態に陥ることがありえます。上記を意識しながら、経験豊富な指導者に添削をしてもらうなどしてブラッシュアップを繰り返し、考えを広げ、深めていくといいでしょう。
「ワンランク上」にチャレンジするのか、それとも「確実な安全策」を取るのか
年内入試では、学力以外の要素の比重が高いため、人によっては、「一般選抜だと受からない大学」に合格することがあります。このことから、模擬試験などの偏差値をもとにした「実力相応校」よりも「ワンランク上」を狙う、積極的な出願をすることも珍しくありません。
他の人ならいわゆる学力構築にあてていた時間を、他のあることにしっかり取り組んで資質を高めた場合、その資質を学力以外の要素で評価してくれるという入試方式ですので、そうした経験を入試に生かしていける人は、前向きに年内入試をとらえるといいでしょう。
しかし、そうした合格者の実例を、先輩や体験談等で知っているからといえども、そうした人が多数派であるわけではない、という事実は知っておく必要があります。チューターとしての指導経験から述べれば、評定平均値の存在もあり、学力と入学校とは、やはりある程度の相関関係が見られるケースの方が多いと思われます。推薦系の入試とはいえ、そこではやはり思考力や表現力といった学力的な能力も反映する選考が行われています。きちんと考え、受け答えとして的確に表現することは容易ではありません。それができるだけの「資質」がきちんと見極められていると言えるでしょう。
さらに言えば、むしろ多く見られるのは、「複数校を受験できる一般選抜ならこのへんに受かりそうだ、というランクよりも一段下げたところ」を推薦でキープする、というケースです。一般選抜の場合、たしかに受かりそうだと「予想される」ところでも、実際に受けてみなければどうしても合否はわかりません。その点、少し「下げた」ところでも、「100%に近い確率」で入学できる推薦入試は、リスクを最小化できる点ではきわめて魅力的です。大学側としても、評定平均で縛りをかけ、さらにロジカルな能力を問う課題を書類や面接で課すことによって振り分けを適切に行い、「この人であれば一般選抜を受けても受かるだろう」という人の学科試験を免除している面があります。「確実な安全策」として年内入試を使うのは、ある意味で大学と受験生側のニーズが合致し、マッチングが成立している状態であると言うことができるでしょう。
小論文・面接対策はもちろん、並行して一般選抜の対策も行わないと大変なことに…
このように考えると、チャレンジングな出願からの成功者は、たしかに無視できないほどの数で実例が生じているものの、多数派は学力相応の「キープ」をする人が多い、というのが年内入試の一つの現実であることがわかります。
倍率を考えても、人気の大学へ年内入試で出願する場合には、油断なくしっかりとした対策が必要になりますし、手を抜くような準備では合格は覚束なくなりますが、リスク回避を視野に、一般選抜に向けた学科試験の準備を並行して進めることが大切です。
年内入試で合否が出そろうのは2学期後半です。年内入試に「懸けて」、万一そのタイミングで合格が出なかった場合、そこから年明けの一般選抜に向かうとあまりに準備期間が短すぎることになります。受験学年になったら、基本的には一般選抜に向けた準備をしながら、それに加えて、「1教科(か2教科)増えたつもりで」志望理由書や小論文・面接対策を進める、というあり方が、「納得できる大学に1回以上受かる」確率を最大化することにつながるでしょう。
一橋学院では、一般選抜に向けた学習を進めながら、経験豊富な講師・プロチューターの指導で、効率的・効果的に「年内入試」の対策を進めることができます。良質の少人数教育により、受験生一人ひとりの志望・状況に合わせた合格戦略を構築し、それぞれの生徒を「いちばん行きたい大学へ」と送り出しています。