学習コラム
【OB・OGが語る!】学習習慣を身に付ける方法! 計画的に勉強時間をデザインしよう
カテゴリ:学習法全般
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学習習慣を身に付ける方法!
一橋学院OBの現役一橋大生が執筆する学習コラムです。
勉強が習慣化できない皆さん、大学受験に向けて学習習慣を身に付けたいですよね。簡単に言うと勉強の習慣は生活リズムを基盤に成立していきます。特に朝に規則正しく起床できるかがカギで「強制的に勉強を始めざるを得ない理由」を作ることが秘訣です。一橋学院ではその一環として毎朝テストというものを実施しています。
目次
■モチベーションを維持し勉強を習慣化させよう!
■学習習慣の確立には「毎朝しっかり起きる理由付け」が大切
■朝起きる動機としての毎朝テストとは
■やる気と効率性を最大限に高める
■1日の行動をデザインする
■実際に合格に向けたスケジュール例
■学習習慣を身に付けるには予備校で管理してもらうことも視野に入れよう
モチベーションを維持し勉強を習慣化させよう!
勉強を習慣化させるまで、最初の数か月ほどはかなりの自己管理能力を必要とします。習慣化に要する日数はよく2週間といわれますが、それ以上の長期間にわたることもあり、長い目で見るべきであると言えます。ここまで聞くと、習慣化には高いハードルが存在しているようにも思えますがコツをつかんでしまえば次第に自動化されていくので安心してください。さらに習慣化させることで特にしんどさを感じず他の受験生との差をつけることができるのでその恩恵は大きいです。
まず、1点目のコツは、モチベーションを適切に管理することです。そのために必要なのが“理想起点”で思考することです。皆さんの中には必ず○○大に合格し、~~な自分になりたいといったような目標があるかと思います。まずはそんな自分を明確にイメージしてみてください。そこから逆算して、「そんな自分になるには○○はできているべきだ」と考え、その内容を愚直に実行してきましょう。例えば「毎日10時間は勉強しているべきだ」や「夏までには理科基礎を仕上げておくべきだ」などといった目標が立てられます。一方、よく“問題起点”で目標を立てる方が見受けられます。これは「現在私は~~ができないから打ち手として○○はできているべきだ」といった思考法です。理想起点とは対極的にこの考えはネガティブな発想からスタートしていることが分かるかと思います。これではモチベーションが上がるどころか焦りや不安などを誘発してしまうのではないでしょうか。さらに、目標起点の思考法は現状の改善という側面が強く、やや打ち手のスケールが小さくなりがちです。理想起点での思考法ではそれと対照的に、大きな目標達成のための大きなスケールの行動を発想しやすいと思います。
ただし、自分の課題を見つめる際に問題起点の思考法は大切なものになります。自分の中で戦略を立てる時間などを設けそこで課題を明らかにしましょう。そして、普段は理想起点で前向きにモチベーションを維持することで学習習慣を身に付けていきましょう。
学習習慣の確立には「毎朝しっかり起きる理由付け」が大切
2点目のコツは、自分が勉強をせざるを得ない環境を作ってしまうことです。そういった観点で見ると予備校に通うというのは有力な選択肢になります。予備校には相応の授業料を払っているため「行かないと損だ」という心理が働きます。人間は損を嫌う生き物なのでそれを避けるために、予備校へ行こうという気持ちになります。そして、予備校に行ってしまえば、勉強のために最適化された環境が用意されているため学習せざるを得なくなります。また、勉強している仲間もたくさんいます。そういった仲間を見ると自分も“同調して”勉強できるようになります。ただし、「行かないと損だ」という心理だけでは予備校に行くのには動機として不十分だという人もいるでしょう。そういった人はさらなる動機付けとして、予備校の管理による“強制力”を取り入れるとよいでしょう。一橋学院では、個いう卒性に対し毎朝テストというものが実施されており、受験を義務付けています。これは、復習テストとしての側面もありますが、それ以上に毎朝テストを受けるために、朝しっかり起きて登校しなくてはいけないという“動機付け”の意味合いが強いです。こういった予備校が提供する仕組みも活用しながら自分が勉強するために「毎朝しっかり起きる理由付け」をしていきましょう。
朝起きることは時間確保の面でもモチベーション維持の面でも大切です。時間で言うと2,3時間は確保できるでしょうし、朝起きることで前向きな気持ちになれると思います。結果的にメンタルヘルスが向上し質の高い学習にもつなげるでしょう。このように朝早く起きることで質と量の両面でいいことがあります。これを習慣化するためにも勉強をせざるを得ない環境を用意することをお勧めします。
朝起きる動機としての毎朝テストとは
一橋学院では主に浪人生向けに「毎朝テスト」というものを実施しています。毎朝10分間かけて行うマークシート式の小テストで8時30分からスタートします。先述のとおり、このテストでは学習効果そのものと学習習慣の構築の両面を狙っています。学習効果の面で言うと一橋学院の伝統と革新によって確立されたオリジナルの内容となっており、基礎力の完全定着が図れます。1回10分とはいえ、英語72回、数学・国語各48回分実施されるため、受験に必須な基礎事項を網羅的に習得することができます。学習習慣の確立の面では、先述の毎朝起きる動機としての面が特筆すべきものですが、それに加え、「授業→復習」サイクルの達成度が確認でき、1年間の大切なペースメーカーとなるという効果も期待できます。
やる気と効率性を最大限に高める
やる気を高める方法として、まずマインドセットの観点では先ほどの“理想起点”の思考法が有効です。さらに、その際になりたい自分を強く、明確に、何回もイメージすることが大切です。一方で、見落とされがちなのが体調面の観点からモチベーションを維持する方法です。マインドセットがいわばソフト面のコツだとすれば、体調はハード面のコツといえるでしょう。具体的には、作業興奮というものを紹介します。これは、いったんある作業を始めてしまえば集中力や持続力などが湧いてくるというものです。これの原理は簡単にいうと作業が引き金となって、やる気を促す物質が放出されるというものです。すなわち、やる気を出すということは文字通り、やる気物質を出すということといえます。ただし、ここで重要なのがやる気はもともとあるものではなくて、作業をきっかけに出すものであるということです。つまり、やる気があるから勉強するというのは誤りで勉強するからやる気が出るということです。さらに言うと、「勉強をしないのはやる気がないから」というのは不正確で、正確には「勉強をしない“せい”でやる気がない」といえるでしょう。これは厳しいように聞こえますが、逆に言うと、皆さんはやる気の有無に左右される奴隷的な存在ではなく、自律的にやる気を駆使できる存在であるということです。ちなみに、作業興奮以外にもやる気を出す方法はあります。例えば、私は自分に報酬を与えることでやる気を出していました。具体的に言うと、カフェイン飲料を飲むということをしました。カフェインは集中力の向上に効果的であるのに加え、それを飲むことが一橋学院へ行くモチベーションとなっていました。ただし、カフェインには依存性や飲みすぎによるリスクがあるので無理な摂取に注意してください。
やる気を高めることで、学習の効率性の向上も見込めます。効率性は他の受験生との差別化という観点でとても重要です。というのも、自分と同じレベルの志望校を目指すライバルは自分と同程度の勉強時間を確保していると考えられるのに加え、どれほど頑張っても勉強時間は1日24時間という制約があります。さらに、睡眠時間を無理に削ってしまうと時間当たりの効率性が落ちるという点を考慮すると時間=量の面での差別化は得策とは言えません。したがって効率=質が他の受験生との差別化要因として大切になってくるのです。
1日の行動をデザインする
ここからは実際に筆者がとっていた主な講座を紹介します。何を隠そう私は他の生徒と比べても多めに講座を取り、冬を乗り切りました。そんな私がおすすめする講座を2つほど紹介します。1つ目は共通テスト数学Ⅰ・Aになります。実は私自身、数学に課題を感じていたためこの講座を取ったのですが、ここでは衝撃を受けました。というのも、共通テストを周りと比べながら解く機会が今まであまりなく、周りとのレベル感の差をそこで生々しく感じ、愕然としたからです。ここで一段、意識が高まり、気合が入ったのを覚えています。2つ目はリハーサルテストです。正確には一橋大のリハーサルテストですが、ここで最後の確認を行いました。この講座で久々にプライム生の仲間と顔を合わせることとなり少し安心したのを覚えています。この講座は1月末と2/1に取りました。定額制だったためほかにも志望校・併願校に合わせた講座を取ることができ、みっちりと対策をしていきました。
実際に合格に向けたスケジュール例
行動をデザインするにしてもある程度、ランドマークとなるようなものがあればゼロから生み出すより早く自分に合った行動をとれるようになるかと思います。これは筆者が受験生時代に実践していたスケジュール例になります。
朝:一橋学院までの道のりで前夜にインプットした知識をアウトプット(主に英語・日本史)
午前中:数学の学習、過去問演習
昼食後:英語長文演習か国語読解、授業
夕方:授業の復習、その他演習や復習など
夜:帰る道のりと眠る前の時間で知識をインプット
この内容を1時間に1回休憩をはさみながら行っていました。
なぜこのようにデザインしたかというと、これが自分にとって最適化されたスケジュールであると感じたというのが前提にありますが、科学的な根拠もあります。詳しい出典や参考文献は割愛させていただきますが次のような理由があります。まず、朝は知識の再定着という狙いがあります。知識は触れた回数が重要なので夜にインプットした知識に再び触れるという狙いがあります。午前中は脳のコンディションが最も良い時間帯なので、最も知的営力を必要とする作業を行おうという狙いから数学や過去問などを扱っていました。昼食後は、上に書いていないのですが実は20分弱の昼寝を行いました。昼寝は脳の生産性向上に有効です。それでも、ご飯を食べると集中力が散逸するので、それを逆手にとって思考を発散させながら行える読解系の勉強をしました。夕方になったら、一日の復習をしたり、疲れて帰りたくなった時は好きな日本史をやっていたりしました。そして、夜は主に知識のインプットを行いました。これは睡眠時間に記憶は定着するということに基づいた行動です。ちなみに1時間に1回休憩したことについてもその方が生産性を上げられるという研究に基づいた行動です。
このように自分にとって最適な行動をデザインしましょう。その際には前述したとおり量も大切なので睡眠時間を確保したうえで自分が勉強に投入できる最大時間をスケジューリングするようにしてください。
学習習慣を身に付けるには予備校で管理してもらうことも視野に入れよう
このように学習効率を最大限に高める行動を習慣化できれば最高だと思いませんか。習慣化することで、意思を働かせる必要がなくなり労力を払っている感覚が消えます。また、長時間勉強することの苦痛を取り払うこともできます。そのため習慣化は勉強時間を極大化させるために重要であるといえるでしょう。習慣化の力を取り入れることにより「質×量」の最大化を目指せるのです。
ここまでの内容で、勉強を習慣化させることの重要性が分かったと思います。そして、前述しましたが、習慣化のために予備校の力を借りるという選択は有効であると考えられます。一橋学院では毎朝テストなどの学習の習慣化のための仕組みを提供しながら、経験豊富な講師・プロチューターの指導で、効率的・効果的に受験対策を進めることができます。良質の少人数教育により、受験生一人ひとりの志望状況に合わせた合格戦略を構築し、それぞれの生徒を「いちばん行きたい大学へ」と送り出しています。