学習コラム
【大学受験】経済・経営・商学部は何が違うのかを分かりやすく解説!
カテゴリ:志望校対策
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違いの分かりにくい「学部」という括り
一橋学院OBの現役一橋大生が執筆する学習コラムです。
皆さん、受験をするからには行きたい学部はなんとなくでもイメージしているかと思います。そんな中で、かなり区別をつけるのが難しい学部群は、経済・経営・商学部ではないでしょうか。どれもお金を扱う学問であり、なかなか明確に違いを言える人は少ないのではないかと思います。本記事ではそんな方向けに
・経済・経営・商学部の違い
・これらの学部で何を学べるか
・学部の決定方法
などを紹介していきます。
目次
■ 経済学・経営学・商学の違いは?
■ 「経済学部」の特徴と向いている人
■ 「経営・商学部」の違い
■ なぜ有名大学は学部を区別するの?
■ 学部の“選び方”は
■ 迷ったときはプロに相談しよう!
経済学・経営学・商学の違いは?
まず簡単に、経済学・経営学・商学の違いを説明します。なお、アカデミックな定義などは受験生の皆さんをかえって混乱させてしまうので(私も専門家ではないので)割愛させていただき、「何を学べるか」といったことをベースにお伝えしていきます。さて、これら三つの学部は「経済学」と「経営学・商学」で二つに大別されると考えられます。なぜなら、扱う経済主体が異なるからです。具体的に説明すると、経済学は文字通り経済全般を対象とするのに対し、経営学・商学は企業活動を主な対象とします。その違いは、根底にある考え方にも表れておりこの二つは明確に区別しうるといえるでしょう。
一方で、経営学と商学は厳密には区別しがたいです。ただし、簡単なイメージとして、経営学は組織と人のマネジメントを学問し、商学は商品のマーケティングや企業のファイナンスといった領域を学問する分野といった違いが考えられます。ただし、これらの学部は互いに領域を共有していたり、大学によって学べることは異なっていたりするので、学びたい領域を受験する大学で学べるのかはしっかりリサーチしておかなくてはならないと思います。
「経済学部」の特徴と向いている人
経済学部の特徴は、経済の3主体と呼ばれる「家計」、「企業」、「政府」について全般的に学ぶところにあります。そのときに、中心となる考え方は経済全体の利益を最大化するために「自由競争」を尊ぶところです(ただし、完全な自由競争は万能ではないという考え方もあります)。自由競争は簡単に言うと、売り手、買い手がたくさん存在し誰もが売買に参加できる状態を指し、この状態では社会の成員の全体的な満足感が最大化されると考えます(詳しい理論に興味のある方は経済学部で学んでください!)。このときにどのように満足感が最大化されるかということを「理論モデル」で説明しようとすることも経済学の大きな特徴です。具体的に言うと、数学を用いたモデルが多く、客観性があり、かなり「科学」的なイメージが強いです。そのため、学部では数学をみっちりと勉強させる大学が多くなっており、そういった数式で説明できる整然とした世界が好きな人は向いている学部だと言えます。
「経営・商学部」の違い
先述のとおり、経営学・商学部は厳密に区別できないというスタンスを持っておくべきだと考えます。理由は大学によって中身が異なることが往々にしてあるからです。例えば、一橋大学では、商学部がありますが、そこでは、コーポレートファイナンス・ガバナンス・経営組織論・マーケティングなどと企業に係る全般を学びます。一方、経営学部・商学部ときちんと区別されている大学では、経営学では企業活動における「ヒト」、「モノ」、「カネ」をマネジメントする方法を学び、商学部では「マーケティング」、「会計」などお金を動かす方法を学ぶ、といった棲み分けがなされることが多いイメージです。
ちなみに、経済学とは違い、経営・商学では、企業の利益を最大化することが優先事項であり、そのためにはいかに独占に近い状態を作り出すかが重視されます。そのため、必ずしも社会全体の幸福を追求せずどちらかというとステークホルダーのみの幸福を追求します(ただし、近年はCSRといい社会に責任を負うべきという考え方が強い影響力を持っています。詳しくは大学で学びましょう!)。
したがって、向いている人を考えたとき、自分の会社を経営して、たくさん利益を出したいといった関心があるタイプの人に向いている学問であると思います。
なぜ有名大学は学部を区別するの?
有名な大学を見ると、「早稲田大学→政治経済学部・商学部」、「上智大学→経済学部経済学科・経営学科」、「明治大学→政治経済学部・経営学部・商学部」というような学部の区別がなされています。このような学部の区別がなされる理由として考えられる最も大きなものは、大学ごとに目指す教育像が異なる点であると考えます。大学ではそれぞれに育てたい人物像を設定しており、それを理念として各学部に設置していることが多いです。近年では、大学にアドミッションポリシー・カリキュラムポリシー・ディプロマポリシーの設置・公開が義務付けられており、ホームページなどでそれらを確認することができます。特に受験生の皆さんに関係するのが入学者の受け入れに関する方針を指すアドミッションポリシーでしょう。自分の志望する大学のアドミッションポリシーを確認し、自分の認識とのギャップを埋めたうえで受験するとよいでしょう。
学部の“選び方”は
学部の選び方の本質は「自分のやりたいことが学べるか」にあると思います。そのため、先述したアドミッションポリシー等を確認し、自分が最も共感できる学部を目指すとよいでしょう。そうはいっても何がやりたいかがわからないといった方もいると思います。そのような方には3つほどアドバイスがあります。まず、1つ目が実際にオープンキャンパスに行ってみるということです。ここで学部の雰囲気や何を学べるかなどを知り、行きたい、と思える場所を受験しましょう。いろいろな大学・学部を見てピンときたところを受けてみるというのも手です。2つ目は、他者のアドバイスを聞いてみるということです。なるべく中立的な他者のフラットな意見を聞いて自分が何に向いているかなどを確かめましょう。そして、向いていると思った学部を見てみるとよいでしょう。3つ目は、少々プラクティカルではありますが、自分の得意科目の配点が高い学部を見るというのも良いでしょう。そもそも大学は、必要だと思った能力を備えている学生を迎え入れるために入試を行っています。そのため、その入試の配点と得意科目が近しいということは、その学部に必要な力を持っている傾向にあると考えられます。すなわち、“得意”学部であると考えられます。得意なことは自然と好きになるのが人間の性でしょう。つまり、「学びたいこと」である・となる可能性が高いのです。
迷ったときはプロに相談しよう!
とはいっても、情報収集から判断まで自分ですべてやるのは現実的には確度があまり高くなく、主観も抜けきらないため、客観的な他者、できればプロの意見は取り入れたいところです。というのも、受験生と比べるとやはりプロは多くの学部に対し、豊富な知識があり、比較したうえで違いまで分かっていることが多いです。さらに、受験生の指導経験も多く、一人ひとりの向き不向きを判断するということに長けていることが多いです。したがって、プロの意見を適宜取り入れるのが賢いやり方だと思います。
手前味噌にはなりますが一橋学院では、受験専門のチューターによる進路指導を受けながら自分に合った志望校選びをすることができます。私自身、チューターの方との話し合いの中で受験校を選定し、見事合格を果たしました。今では、自分のやりたいことを学べており充実した学生生活を送ることができています。これもチューターの方の支援によるものが大きいと思っています。
一橋学院では経験豊富な講師・プロチューターの指導で、効率的・効果的に受験対策を進めることができます。良質の少人数教育により、受験生一人ひとりの志望状況に合わせた合格戦略を構築し、それぞれの生徒を「いちばん行きたい大学へ」と送り出しています。