本文へ移動


いちばん行きたい大学へ。
一人ひとりの可能性は無限大
一人ひとりの能力を最大限伸ばす少人数教育

学習コラム

補欠合格は受かる?<繰り上げ合格の可能性>医学部含めて解説!

カテゴリ:受験生活
注目耳ヨリ
入試結果のパターン
一橋学院在籍のプロフェッショナルチューターが執筆する学習コラムです。
 
 ご存じの方も多いと思いますが、入試結果には3通りあります。合格、不合格、そして「補欠合格」です。今回はこの補欠合格について、どのように発表されるのか、繰り上げはあるのかといった点を深ぼっていきます。
 とりわけ特殊な医学部医学科の補欠合格についても解説していきます。
 
目次
■補欠合格とは
■なぜ補欠合格を出すのか
■補欠合格はどのように発表される?
■実際どれくらい受かるのか
■補欠合格をどうとらえるべきか
■医学部医学科の補欠合格について
■まとめ
補欠合格とは
 補欠合格とは、大学が判定した合格者とは別に、余分に確保する合格候補者のことです。いわゆるノミネートという状態です。補欠合格に対し、大学が直ちに合格と判定することを正規合格と言います。補欠合格者はその後、大学からの正式な発表があると合格者としてみなされます。これを繰り上げ合格と言います(追加合格と表現する場合もあります)。繰り上げ合格は毎年複数の大学で行われています。一方、当然ながら補欠合格者でも繰り上げの発表がされないこともあります。補欠合格というのはその大学の事情だけでなく、他大学の状況や政府の政策によって繰り上げが左右される性質があり、数値にある程度の流動性がありますので、これから受験をされる皆様はその性質だけでもしっておくよいでしょう。
なぜ補欠合格を出すのか
 まず、なぜ各大学が補欠合格を出すかを説明します。大学には各学部の定員数が決められています。この定員数は大学が文部科学省に届け出て承認された数値ですので、原則それを超過してはなりません。大学としては健全な法人運営をするため、この定員数がどれだけ埋まったのかというパーセンテージが重要となります。このパーセンテージを「定員充足率」と呼びます。
 大学は、複数の大学に合格した受験生が他大学に進学することを見越して、定員数より多くの受験生に合格を出し定員充足率を100%に近づけます。(大学の規模などによっては110%まで認められています。)これが補欠合格を出す理由です。各大学学部の手続き締切日がやってくると、その数字に応じて補欠合格を繰り上げていくという形になるのです。
補欠合格はどのように発表される?
 それでは自分が補欠合格者なのかどうか、どのように分かるのでしょうか。その告知方法は大学によってさまざまです。多くの場合は合格発表の画面に「補欠合格」である旨が表示されるか、封書にて補欠合格が伝えられ、大学の任意のタイミングで繰り上げが発表されます。多くは早稲田大学、慶應義塾大学といった最難関私立大学の合格発表や手続き締切り、国立大学の合格発表や手続き締切りに近い2月後半~3月に発表されます。一方、これは基本的なもので、特殊なパターンがいくつかあります。例えば慶應義塾大学は各学部の合格発表日に、補欠合格者にアルファベットのランクをつけて発表されます。また、立教大学では自分が補欠合格者かどうかは分かりませんが、繰り上げ発表日がすでに決められていて全部で4回の発表があります。さらには、補欠合格かどうかも、繰り上げ時期も発表されず、いきなり繰り上げ合格の通知が来ることもあります。
実際どれくらい受かるのか
補欠合格は繰り上げ合格する可能性がどれくらいるのか、合格しないのが当たり前なのかを解説【一橋学院│数学科講師・岩崎達浩│東京・新宿区高田馬場の大学受験塾】
補欠合格の可能性を測ることは難しい。
 繰り上げ合格がどれくらいあるかは、正直に言うと読むことは難しいです。その中でも、先述の慶應義塾大学のようにランクや順位が発表されている場合は、過去3年程度の動向を調べると、およそ繰り上げ合格が期待できるかが分かります。
 また、昨今の動きとしては補欠合格者の減少が見られました。これは数年前に行われていた文科省による私立大学定員厳格化の政策とその緩和による影響が大きいです。数年前、ある規模の私立大学は定員超過率の削減を余儀なくされ、何年かをかけて合格者数をそれまでの10%以上減らしました。これにより一時的に浪人生が増えたという時期もあります。そして2023年の入試からは定員厳格化対象であった大学は、入学定員ではなく、全学年の総定員に対しての制限というように方針変更しました。これは実質的な定員厳格化の緩和と言えます。もちろん、大学の方針によって正規合格者を多く出すかどうかは変わってきますが、以下のニュース記事によると補欠合格者の減少、正規合格者の増加が見られます。
 
https://business.nikkei.com/atcl/plus/00050/112200003/
 
この傾向は今後数年で落ち着くと考えられますが、少なくとも現状では正規合格しやすく、補欠合格しにくいという状況です。
補欠合格をどうとらえるべきか
 ここまで述べてきたように補欠合格とは他大学や社会の情勢によって変化するあいまいなものです。一部の順位やランクを発表する大学は過年度の実績である程度の予想はできますが、その風潮を読むのは至難の業でしょう。一方で、事実として私は、最後の最後に繰り上げ合格で第一志望に進学という事例に遭遇したことがあります。総合して答えを出すならば、補欠合格者になった場合は希望をもって待ちながら、序盤で抑え校を取っておく、また後期試験や3月入試などに備えるのが良いでしょう。

 後期試験、3月入試については以下のコラムもご参照ください。
医学部医学科の補欠合格について
 最後に医学部医学科の補欠合格について言及します。医学部医学科の補欠合格は他学部と比べて異なる特徴があります。まず、正規合格に対して繰り上げ合格者の方が多くなる場合がほとんどです。中には、正規合格者の多くが特待生枠に入るという大学もあるようです。また、多くの場合は順位やランクが発表されます。こちらは過年度の数字が分かるとおよその傾向がつかめます。これは、他学部に比べて82大学と大学数が少ないことや、医学部医学科は定員の超過が認められていないことに加え、昨今ささやかれる医師不足といった現状とのせめぎあいによって、定員充足率を100%に近づけることが非常に重要だからと考えられます。
 このような傾向は一般的には公開されておらず、知る人ぞ知る情報となっています。
 
一橋学院が運営する医学部専門予備校「メディカルコネクト
まとめ
 補欠合格とは合格ノミネートの状態であり、繰り上がるかどうかは他大学の状況や政府の政策などに左右されやすい性質があるため、期待を持ちながらもきちんと備えることが重要です。一方、医学部医学科は大学数が少ないことや、定員超過が認められていないことによって、過年度の繰り上がり状況と似かよう傾向があります。一橋学院ではこういった経験や蓄積が必要な分析を含めて、プロのチューターが学習・進学のアドバイスをしています。ご興味のある方はぜひ個別相談にお越しください。
TOPへ戻る