学習コラム
その予備校、「学校」ですか? <予備校選びの新視点>
カテゴリ:受験生活
チェック耳ヨリ
「予備校」と言っても実は2種類ある
一橋学院在籍のプロフェッショナルチューターが執筆する学習コラムです。
皆さんは、「予備校選び」をするときに何を重視しますか。
「集団授業か個別指導メインか」「少人数か大人数か」「講師がプロ講師か大学生講師か」「自習室が使いやすいか使いにくいか」、など、多くの視点があるかと思いますが、「学校かどうか」という点を意識したことはあるでしょうか。
設置者という切り口で考えると、「大学受験予備校」は実際上、大きく2つに分かれます。「学校法人」と「株式会社」の2種類です。前者は学校教育法に基づく教育施設になりますが、後者は無認可校となります。見た目上は違いが分かりにくいことが多いのですが、両者にはしばしば質的な相違が生じます。両者を比較しながら、学校法人系の予備校に通うメリットを挙げてみたいと思います。
目次
■ 「予備校」と言っても実は2種類ある
■ 「学校法人」予備校のメリット(1)授業時間の担保
■ 「学校法人」予備校のメリット(2)カリキュラムの充実
■ 「学校法人」予備校のメリット(3)講師・スタッフ
■ 「学校法人」予備校のメリット(4)校舎規模
■ 「学校法人」予備校のメリット(5)適正な学費
■ 「学校法人」予備校のメリット(6)通学定期
■ 教育機関としての安心感
皆さんは、「予備校選び」をするときに何を重視しますか。
「集団授業か個別指導メインか」「少人数か大人数か」「講師がプロ講師か大学生講師か」「自習室が使いやすいか使いにくいか」、など、多くの視点があるかと思いますが、「学校かどうか」という点を意識したことはあるでしょうか。
設置者という切り口で考えると、「大学受験予備校」は実際上、大きく2つに分かれます。「学校法人」と「株式会社」の2種類です。前者は学校教育法に基づく教育施設になりますが、後者は無認可校となります。見た目上は違いが分かりにくいことが多いのですが、両者にはしばしば質的な相違が生じます。両者を比較しながら、学校法人系の予備校に通うメリットを挙げてみたいと思います。
目次
■ 「予備校」と言っても実は2種類ある
■ 「学校法人」予備校のメリット(1)授業時間の担保
■ 「学校法人」予備校のメリット(2)カリキュラムの充実
■ 「学校法人」予備校のメリット(3)講師・スタッフ
■ 「学校法人」予備校のメリット(4)校舎規模
■ 「学校法人」予備校のメリット(5)適正な学費
■ 「学校法人」予備校のメリット(6)通学定期
■ 教育機関としての安心感
「学校法人」予備校のメリット(1)授業時間の担保
学校として認可を受けるには、いくつかの基準を満たす必要があります。そのなかでも最も代表的なものが授業時間です。
学校法人設立でも株式会社設立でも、学校である以上、形態にバリエーションがあるにしても、そこにはなんらかの「授業」があるはずです。教育内容の核となるその授業について、ボリュームの下限が定められているのが学校法人です。
株式会社系の予備校では規定を満たす必要がないため、往々にして授業時間が短くなることがあります。「見た目の時間割」は何かで埋まっていても、実は「授業でない/授業とはみなせない」ものが入っているようなことがあるのです。
学力を構築するうえで、「授業」はやはり基本となるものです。学校法人が設置する学校はその「根本」を大切にしていると言えます。
学校法人設立でも株式会社設立でも、学校である以上、形態にバリエーションがあるにしても、そこにはなんらかの「授業」があるはずです。教育内容の核となるその授業について、ボリュームの下限が定められているのが学校法人です。
株式会社系の予備校では規定を満たす必要がないため、往々にして授業時間が短くなることがあります。「見た目の時間割」は何かで埋まっていても、実は「授業でない/授業とはみなせない」ものが入っているようなことがあるのです。
学力を構築するうえで、「授業」はやはり基本となるものです。学校法人が設置する学校はその「根本」を大切にしていると言えます。
「学校法人」予備校のメリット(2)カリキュラムの充実
上記の授業時間数は「どういう授業内容を展開するか」といったカリキュラム全体の問題につながります。「きちんとした内容」を「しっかりとした手順」で教えようとすれば、おのずと一定の時間が必要になります。「学校」において、授業時間がある程度多くなり、法令の基準を満たすことは、実は必然的なことなのです。
学校法人系の学校としての予備校は、それだけ「授業を大切にしている」と言えるでしょう。日々変わりゆく大学受験に対応しながら、受験生にしっかりと「力」をつけてもらうために、カリキュラムの充実が図られています。
学校法人系の学校としての予備校は、それだけ「授業を大切にしている」と言えるでしょう。日々変わりゆく大学受験に対応しながら、受験生にしっかりと「力」をつけてもらうために、カリキュラムの充実が図られています。
「学校法人」予備校のメリット(3)講師・スタッフ
学校としての認可を受けるにあたっては、学校の規模ごとに、一定人数以上の講師・スタッフを揃える必要があります。学校法人は教職員を届け出る必要があり、その分、そうした条件のない株式会社系の予備校に比べて質的な担保がされていると言えるでしょう。
教育活動において「人」が果たす役割はきわめて大きく、「人」を重視しないところでは、どうしても指導内容が限定的になることがあります。それでは本当の意味で生徒を「大事にしていない」可能性があるのです。
学校は「営利」を目的とする株式会社と異なり、「教育」を実践する機関です。「人」の担保は教育内容の保証につながっています。
「学校法人」予備校のメリット(4)校舎規模
認可要件には、施設に関する項目もあります。学校として認可を受けるためには、一定規模以上の校舎面積が必要です。
株式会社系の予備校ではこうした設置基準がありません。教室や自習室が極端に小さい、座席数がわずかしかない、といったことも散見されます。
受験勉強を進めるにあたっては、設備や学習環境も無視できない要素です。安心して、快適な環境で学習ができるのも学校法人系予備校のメリットの一つです。
「学校法人」予備校のメリット(5)適正な学費
株式会社は、社会に存立する意義として何らかの形で社会貢献を果たすような本業を有することが多いですが、そうした組織であっても本質的に「利益の追求」という要素を無視することはできません。営利活動をつうじた社会貢献を目指す以上、株式会社はまずもって利益を追求する必要があります。この点は教育機関としての学校法人と性質を異にするところです。
この違いが表れやすいのは、やはり学費でしょう。私立学校になりますので学校法人系の予備校でももちろん相応の学費が必要になりますが、株式会社系の予備校ではときに授業料が高額に傾くこともあります。同等の教育内容であれば学校法人系の予備校の方が抑制的な授業料と考えられますし、株式会社系の予備校では状況により不要なオプションを勧められる、というようなこともありえるかもしれません。
年間学費で比べたときに金額的には同等規模になる場合、今度は授業数などの「教育内容」に差があることがありえますので、予備校選びの際にはきちんと「中身」を確認するといいでしょう。
この違いが表れやすいのは、やはり学費でしょう。私立学校になりますので学校法人系の予備校でももちろん相応の学費が必要になりますが、株式会社系の予備校ではときに授業料が高額に傾くこともあります。同等の教育内容であれば学校法人系の予備校の方が抑制的な授業料と考えられますし、株式会社系の予備校では状況により不要なオプションを勧められる、というようなこともありえるかもしれません。
年間学費で比べたときに金額的には同等規模になる場合、今度は授業数などの「教育内容」に差があることがありえますので、予備校選びの際にはきちんと「中身」を確認するといいでしょう。
「学校法人」予備校のメリット(6)通学定期
株式会社系の予備校はホームページに「会社情報」があるはずですので(おおむね、上部のメニュー内か、最下部の項目内か)、その予備校の設置者・運営母体が株式会社なのかどうかはそちらで確認できるはずですが、浪人生(高卒生)の場合は、分かりやすい区別があります。
一般的に学校法人系予備校では、高校生のときのように、鉄道・バスなどの定期券を「通学定期」にすることができます(鉄道会社等の規定により年間授業時間を満たす必要がありますので、年度途中で入学する浪人生は購入できません、また、同様に、高校生も自分が所属する高校に通うための通学定期しか購入できません)。株式会社系の予備校に通う生徒は「通学定期」を買うことができず、通常の「通勤定期」や回数券を購入することになります。