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学習コラム

その1点が合否を分ける! 数学で「泣かない」ための「計算ミス」解消法

カテゴリ:教科別学習法
チェック重要
数学では「最後まで解ききる力」が必要
 一橋学院在籍のプロフェッショナルチューターが執筆する学習コラムです。

 大学入試の数学は途中の過程が複雑で、1題を解くのに30分程度を要することも珍しくありません。「解法」や「途中経過」が合っていても、最後の答えの値が異なると、性質上、大きな失点を覚悟しなければなりません(まして、解答形式上、解答のみを求められるパターンの出題では、たとえ単純な計算ミスであっても、その設問での得点がまるまるなくなってしまいます)。そのため、「自分が解ける問題を、きちんと最後まで解ききる力」が重要になります。そのために必須になるのが「計算力」です。
 大学受験は、入試当日の「1点」が左右する世界です。合格線上では1点にたくさんの受験生が横並びになりますので、「計算を甘く見るものは計算に泣く」といった事態は何としても避けねばなりません。今日は「計算で泣かないため」のトレーニング法を紹介したいと思います。
「解法」があいまいな状態だと計算でミスが生じやすい
 数学の学習の土台になるのは、定型問題を中心とした「解法」の理解とその活用ですが、この「解法」がしっかり「自分のもの」になっていないと、「解答の流れ」に気を取られて計算ミスが出ることがあります。
 ある程度学習が進んだ段階でも、「流れ」に気を取られると計算ミスが出て、逆に計算を丁寧にやっていると何をやっているのか「流れ」を見失う、ということを体験したことはないでしょうか。
 残念ながら、それはその解法についての習熟不足です。たしかに計算力そのものをつけるのが一つの解決策なのですが、逆に「解法」そのものがしっかりと身について「流れ」を見失わないようになると、余計な計算ミスは減少します。まずは学習時間を適切に確保して、「数学の力」がつくように反復学習を行うにしましょう。習熟が進んだ単元については自然と計算ミスも減るはずです。
計算力の安定のためには、計算に特化したトレーニングが有効
大学受験では1点の差が合否をわける。数学では計算ミスをなくすことが大事だ。定型問題などの解法研究をしつつ、定期的・集中的に計算練習を行い、自分の癖を意識的に修正する必要がある。努力は裏切らない。日々の鍛錬が重要だ。【一橋学院│東京・新宿区高田馬場の大学受験塾】
計算ミスをなくすには「意識的な修正」が大切
 上記のように数学の学力全体の向上で計算ミスはなくなっていきますが、日本語で文章を書いていてもどうしても誤字・脱字が生じるように、ある程度の頻度でどうしても計算ミスも生じます。これをなくすには、やはり計算そのものに焦点をあてたトレーニングが有効です。
 振り返れば、小学生、中学生の頃には、計算練習を豊富に行っていたはずです。高校生になるとこうした練習が自分の裁量にゆだねられてしまうために遠ざかってしまうことがよくあるのですが、だからこそ意識的にそうしたメニューを取り入れることで、他の受験生に差をつけることもできるようになっていきます。
 しかし、残念ながら、この計算力の安定に、「近道」や「特効薬」はありません。「筋トレ」のように日々、地道に訓練することが大切です。ただ、それにはいくつか「コツ」があります。ぜひ以下を心掛けたメニューで練習してみましょう。

●少し下の学年の計算問題を解く

 ミスが出ないようにしていくための練習ですので、計算方法がわからない、といったぐあいに「計算過程」にあやふやな面があれば、まずは公式や計算の仕方をおちついて身につけるところから始める必要があります。そのため、計算特化型練習の素材には、1~2学年下の計算問題を用いるといいでしょう。
 具体的な素材としては、学校で配付される教科書傍用問題集や、市販の受験用計算問題集(1、2年生までに学習する、いわゆる共通テスト範囲のもの)などがいいでしょう。いずれも「解説がなく解答のみ」というケースが多いのですが、解答のみではわからない、という場合は、計算練習というより、上記のような計算問題の解法定着にまず時間を使うべき段階です。
 受験学年の場合、少し余裕があるのであれば、「下の学年」の素材でなく、夏ぐらいまでに極限や微分、積分の計算演習を取り入れるのもいいでしょう。

●1日30分ほどの練習を1か月ほど繰り返す

 毎日2、30分程度を目安に、計算だけに集中して練習してみましょう。1か月ほど続けると、正確性・スピードとも、かなり向上するはずです。
 計算力が安定してきたらボリュームを減らしてもいいですが、やめてしまうと勘が鈍ることがあるので、可能な範囲で継続したいところです。1回あたりを10~15分程度にして、頻度も週数回に減らしてもかまいませんので、極力「長期間」継続しましょう。
 習慣にしていくためには、「学習を始める前のアイドリングとして行う」などの形で、ルーティン化してしまうのがお勧めです。
 いずれにしても、ダラダラと行わず、計算することにだけ集中して、その時間はわき目もふらずに練習することが大切です。
 入試が近づいてきたら、必然的に過去問演習が中心になりますので、こうした「トレーニング」は縮小ないし休止します。過去問等を使った当日までのリハーサル演習で、「その大学で要求される計算スピード」を意識するようにし、「時間感覚」を養うようにしましょう。

●「計算欄」を確保する

 上記の計算トレーニングにあっては、新品のものでなくても結構ですので、専用のノートを作って、そこに解いていくのがお勧めです。見直しもしやすく、捨てずに蓄積していけば自信にもつながっていきます。
 入試の現場では、問題の横に区切り線を引くなどして、「計算スペース」をしっかり確保するとよいでしょう。「ちまちま」と書いてしまうことでミスが生じることもよくあるからです。
 過去問を使った練習段階でも、問題のコピーなどがある場合は、同じように「計算欄」を設けて解くようにするとよいでしょう。

●間違えた問題を繰り返し解く

 練習するうえで大事にしたいのは「見直し」です。
 「解法は合っていたのだから大丈夫」は、入試の現場で通用しません。計算ミスを当日「絶対に」しないように、練習段階でも厳しくミスをなくさねばいけません。
 間違った計算式を「計算ノート」に書き(直前期であればこれは「余裕次第」で結構です)、「どこで間違ったか」を意識しつつ、すぐその場で、自力で解き直し切るようにするのがお勧めです。
 そのうえで、この「間違い問題」を一度でなく複数回解くようにしましょう。そのさい、「意識的に」直すことがポイントです。単純に解きなおす、復習するよりも、格段に計算ミスが減るようになります。
 最終的に「手に覚えさせる」ぐらいまで解き込むことが大切です。「手順」が複雑なものでミスが出ている可能性も高いので、こうして修正をくりかえすことで、スピードアップにもつながります。

●自分の癖を知る
 
 このように意識的に反復することが大事なのは、計算ミスには「自分に特有の癖」が見られる傾向があるからです。
 間違い問題を記した「計算ノート」をきちんと見直すと、実は同じような計算ミスをしばしばしていることに気づくはずです。「癖」は自然と出てしまうからこそ「癖」なので、徹底して直さないといざという時にまた顔を出してきます。「自分の計算の癖」を知り、それを意識的に矯正し、反復練習で定着をはかる、というプロセスが「癖」の克服には最も効果的です。
 こうした「癖」は案外、以下のようなごくごく基本的なことで起きていることもよくあります。ぜひ「計算ノート」をチェックしてみてください。「この程度」と見過ごさず、「意識」してしっかりと修正しましょう。
  1.数字の書き間違い 
  2.正負や不等号の入れ違い
  3.約分計算
  4.累乗や根号、絶対値の処理
「計算力」は裏切らない
 計算力は一朝一夕に高められるものではありませんが、逆に一度身についた計算力は、志望校合格への確かな「武器」になります。計算力は裏切りません。地道にパワーアップを目指しましょう。
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